【徹底解説】舘ひろし、70代にして「最強」の理由。暴走族から国民的スターへ、進化し続ける“ダンディズム”の全貌

はじめに:なぜ今、舘ひろしが最高にかっこいいのか?

「70代なんて、ただの数字だ」 そんな言葉がこれほど似合う男は、日本中を探しても舘ひろしさん以外にいないでしょう。

2024年に公開された映画**『帰ってきた あぶない刑事』**。 38年続く伝説のシリーズ最新作で、舘ひろしさんは74歳(撮影当時)にして、ハーレーダビッドソンを手放し運転で操り、華麗なガンアクションを披露しました。CG全盛の時代に、生身のアクションでスクリーンを制圧するその姿は、往年のファンだけでなく、Z世代の若者たちにも衝撃を与えています。

しかし、彼の魅力はただ「かっこいい」だけではありません。 強面の裏に隠されたチャーミングな素顔、コメディで見せる柔軟性、そして亡き師・渡哲也さんへの変わらぬ忠誠心。 今回は、昭和・平成・令和を駆け抜ける**「日本最後のスター」舘ひろし**さんの、知られざる激動の半生と、愛される理由を徹底解剖します。


第1章:医師の家系への反逆と「クールス」伝説

名門・愛知医大の御曹司としての葛藤

舘ひろしさんは1950年(昭和25年)、愛知県名古屋市に生まれました。 その出自は、実は超エリートです。祖父は医師、父も内科医という代々続く医者の家系。当然のように、長男である舘さんも「医者になること」を運命づけられていました。

しかし、若き日の舘さんはそのプレッシャーに馴染めませんでした。 「敷かれたレールの上を歩くのは真っ平だ」 進学校である愛知県立千種高校に進むものの、勉強よりもラグビーに熱中。やがて上京し、千葉工業大学に入学しますが、そこでも彼の魂は燻ぶっていました。

原宿の伝説「COOLS(クールス)」結成

1975年、運命の歯車が回り始めます。 東京・原宿で、黒い革ジャンにリーゼント、大型バイクを乗り回すバイクチーム**「COOLS(クールス)」**を結成。舘さんはその「ボス」として君臨しました。

当時のクールスは単なる暴走族ではありません。アメリカン・グラフィティの世界観を体現したファッションアイコンであり、矢沢永吉さんが率いたバンド「キャロル」の親衛隊を務めたことでも有名です。 その圧倒的なカリスマ性は業界人の目に留まり、バンドとしてデビュー。音楽番組に出れば、強烈な不良の匂いでスタジオを凍りつかせ、しかしその危険な香りが女性たちを熱狂させました。 これが、芸能人・舘ひろしの原点です。


第2章:「石原プロ」への入門と、アクション俳優としての覚醒

渡哲也という男に惚れ込んで

バンド活動を経て、俳優業へ転身した舘さんですが、当初は「セリフが棒読みだ」「ただのツッパリだ」と酷評されることもありました。 そんな彼を変えたのが、石原プロモーションへの入社、そして渡哲也さんとの出会いでした。

当時、石原プロといえば石原裕次郎さんを筆頭に、屈強な男たちが集う「石原軍団」。 その中で、舘さんは渡哲也さんの付き人からスタートしました。 「渡さんのためなら、何でもする」 そう公言するほど、渡さんの人間性、男気に惚れ抜いた舘さん。アウトローだった青年が、組織の中で「礼節」と「役者魂」を叩き込まれていったのです。

『西部警察』での伝説的アクション

そして訪れた大ブレイク。ドラマ**『西部警察』**(テレビ朝日系)です。 当初は「タツ」という役で出演し、一度殉職して降板しましたが、視聴者からの復帰コールが殺到。なんと別役の「ハト」として再登場するという、前代未聞のウルトラCで復帰を果たしました。

爆破、カースタント、銃撃戦。 「CGなし、スタントなし」が当たり前だったこの現場で、舘さんはバイクアクションの才能を開花させます。走るバイクの上でショットガンを構えるあの姿は、日本のドラマ史に残る名シーンとなりました。 この時期、舘ひろしは「日本一ハードボイルドが似合う男」としての地位を確立しました。


第3章:『あぶない刑事』で確立した「ダンディ&セクシー」

ハードボイルドからスタイリッシュへ

1986年、舘ひろしさんのキャリアにおける最大の転機が訪れます。 ドラマ**『あぶない刑事』**(日本テレビ系)のスタートです。

これまでの刑事ドラマは「汗臭い」「重厚」なものが主流でした。しかし、舘さん演じる「タカ(鷹山敏樹)」と、柴田恭兵さん演じる「ユージ(大下勇次)」のコンビは、それを根底から覆しました。 ブランドもののスーツにサングラス、ジョークを飛ばしながら犯人を追い詰める。 仕事が終わればナンパに精を出す。

この**「スタイリッシュで都会的」**な刑事像は、バブル景気に向かう日本の空気と完全にマッチしました。 舘さんは衣装のスーツを自らオーダーし、サングラスの角度一つにまでこだわりました。 また、主題歌『冷たい太陽』や挿入歌も大ヒット。「泣かないで」でNHK紅白歌合戦にも出場し、歌手としても頂点を極めます。 こうして舘ひろしは、単なるアクション俳優から、誰もが憧れる「ファッションアイコン」へと進化を遂げたのです。


第4章:コメディへの挑戦、そして「名優」への脱皮

50代で見せた「パパとムスメ」の衝撃

2000年代に入り、50代後半となった舘さんは、驚くべき新境地を見せました。 2007年のドラマ**『パパとムスメの7日間』**(TBS系)。 新垣結衣さん演じる女子高生の娘と、人格が入れ替わってしまうサラリーマンの父親役です。

あのダンディな舘ひろしが、内股で走り、スマホをいじりながら「キモい!」と叫ぶ。 女子高生になりきったその演技は、「あの舘ひろしがここまでやるか!?」と日本中を爆笑の渦に巻き込みました。 この作品で、彼は「強面」のイメージを逆手に取った**「かわいげ」**という最強の武器を手に入れます。

映画『終わった人』での哀愁

さらに2018年の映画**『終わった人』では、定年退職して居場所をなくしたトホホな男性を熱演。 かつてのアウトローの影はどこへやら、妻に邪険にされ、再就職活動に失敗する姿は、哀愁たっぷりでした。 この演技が高く評価され、モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞**を受賞。 「かっこいい役しかできない」と言われたかつての批判を、実力で完全にねじ伏せた瞬間でした。


第5章:意外すぎる素顔! ギャップ萌えの帝王

甘党で注射嫌い?

完璧に見える舘ひろしさんですが、素顔は驚くほどチャーミングです。

  • 無類の甘党:お酒は一滴も飲めません(下戸)。その代わり、甘いものが大好き。特に「あんこ」には目がなく、撮影現場には常にお菓子が用意されているとか。コーヒーには砂糖をたっぷり入れます。
  • 注射が大の苦手:医者の息子でありながら、注射を見るのも嫌い。健康診断での採血は大騒ぎだそうです。
  • 愛妻家:1996年に13歳年下の一般女性と結婚。浮いた噂が多いイメージとは裏腹に、奥様を非常に大切にされています。家では「お父さん」ではなく名前で呼ばれているという噂も。
  • 特技は英国式のお茶:自宅では自ら紅茶を淹れ、優雅なティータイムを楽しむのが日課。バスローブ姿で紅茶を飲む姿は、まさにドラマそのものです。

この「完璧なダンディなのに、どこか抜けている」というギャップこそが、女性ファンのみならず、共演者やスタッフからも愛され続ける最大の理由でしょう。


第6章:石原プロの解散、そして「舘プロ」へ

渡哲也の遺志を継いで

2020年、精神的支柱であった渡哲也さんが逝去。そして2021年、昭和の芸能界を牽引した石原プロモーションが解散しました。

その際、舘さんは所属していた俳優やスタッフの受け皿として、新たに**「舘プロ」**を設立しました。 「軍団」と呼ばれた組織から、より風通しの良い「チーム」へ。 「僕は社長じゃなくて、ただの所属タレント第1号ですから」と笑いますが、後輩たちの面倒を見るその姿には、かつて渡哲也さんから受け継いだ「男の美学」が確かに息づいています。

70代、現役バリバリのアクションスター

現在も、その活動量は衰えることを知りません。 2024年の『帰ってきた あぶない刑事』では、「70代でもアクションができることを証明したい」と、過酷なトレーニングを積んで撮影に挑みました。 共演した柴田恭兵さんとは、言葉を交わさずとも通じ合う「熟年夫婦」のような関係性。二人が並んで歩くだけで絵になる、そんな奇跡のような存在感を放っています。


おわりに:舘ひろしは、年を取ることを「希望」に変える

若い頃は、尖ったナイフのような危険な男。 中年は、大人の色気を纏ったセクシーな男。 そして今は、包容力とユーモアを兼ね備えた、最高にチャーミングな紳士。

舘ひろしさんの生き様を見ていると、「歳を取るのも悪くないな」と思わせてくれます。 シワの一つ一つが魅力になり、老いが「劣化」ではなく「深み」になる。 彼こそは、高齢化社会・日本における**「希望の星」**ではないでしょうか。

「次はどんな役をやるんですか?」という問いに、彼はきっとイタズラっぽく笑ってこう答えるでしょう。 「まだ秘密。でも、面白くなるぜ」

これからも、舘ひろしという男のドラマから目が離せません。


舘ひろし(たち ひろし)プロフィール

  • 生年月日:1950年3月31日
  • 出身地:愛知県名古屋市
  • 所属:舘プロ
  • 身長:181cm
  • 主な受賞歴:モントリオール世界映画祭 最優秀男優賞(『終わった人』)、日本アカデミー賞 優秀主演男優賞など
  • 代表作
    • ドラマ:『西部警察』『あぶない刑事』『パパとムスメの7日間』『なるようになります。』
    • 映画:『野性の証明』『終わった人』『ヤクザと家族 The Family』
    • 音楽:『泣かないで』『冷たい太陽』(すべて大ヒット)

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