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■ プロフィール
【名前】 佐藤 和久(さとう かずひさ)
【生年月日】 1971年1月19日
【出身地】 岩手県
【身長】 173cm
【職業】 俳優・アクション俳優・ラジオパーソナリティ
【所属】 元ジャパンアクションクラブ(JAC)出身
【主な活動ジャンル】 舞台、時代劇、アクション作品、FMラジオ
【代表作】 舞台「銀河英雄伝説」シリーズ、ドラマ「雲霧仁左衛門」、映画「極道の妻たち」ほか
【病歴】 ギラン・バレー症候群(2021年発症)
■ 佐藤和久という俳優
佐藤和久は、アクションを原点にした確かな身体表現と、誠実な演技力で作品を支えてきた俳優だ。
16歳でジャパンアクションクラブ(JAC)入り。若くしてアクション演技を徹底的に鍛えられたことで、舞台・映像ともに“動ける俳優”として作品から信頼される存在になっていく。
礼節、基礎体力、身体を見せる技術、呼吸と間合い――。
JACで叩き込まれた経験は、現在の佐藤の表現の土台であり、彼自身も「俳優としての青春だった」と語るほどだ。
■ 芸能界入りのきっかけ
佐藤が芸能の道に入ったのは「アクションを仕事にしたい」という純粋な憧れからだった。
子どものころに見たアクション映画や時代劇に強く影響を受け、
「自分も身体を使って表現したい」と思い立ってJACの門を叩く。
当時は現在よりずっと敷居も高く、訓練は過酷だったが、
彼は持ち前の粘り強さで乗り越え、アクション俳優としての下地を築いた。
■ 主な出演作と俳優としての強み
● 舞台「銀河英雄伝説」シリーズ
佐藤の名が広く知られるようになったきっかけが、このシリーズでの活躍だ。
出演だけでなく殺陣・アクションの演出面にも関わり、シリーズの戦闘シーンを支えた。
代表的な出演作
- 「銀河英雄伝説 撃墜王篇」
- 「銀河英雄伝説 輝く星 闇を裂いて」
- 「銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵」

集団戦の“動線の美しさ”、一対一の“間合いの鋭さ”は、多くのファンから高く評価されている。
● 時代劇での活躍
殺陣の技術を生かし、数多くの人気時代劇にも参加。
- 「雲霧仁左衛門」因果小僧六之助役(レギュラー)
- 「遠山の金さん」
- 「暴れん坊将軍」
- 「御家人斬九郎」
動きは鋭く、表情は熱い。それでいて芝居の骨格がしっかりしているため、
“作品を引き締める俳優”として信頼されている。
● 映画・ラジオ
- 映画「極道の妻たち・リベンジ」出演
- FM HOT839「SUGAR HOUSE」パーソナリティ
ラジオでは舞台とは違う柔らかな一面が見られ、リスナーの人気も高い。
■ 佐藤和久を襲った病 ― ギラン・バレー症候群
2021年7月4日、佐藤は突然、ギラン・バレー症候群を発症した。
これは免疫が神経を攻撃し、急速に筋力が失われる難病。
佐藤の場合は非常に重症で、短期間で全身の自由を奪われた。
- 手足が動かない
- 顔の筋肉も動かない
- 声が出ない
- まぶたすら上がらない
- 意思表示が完全にできない
それでも“耳だけは聞こえる”という残酷な状態が続いた。
医療スタッフの声も、家族や仲間の励ましも聞こえる。
しかし、自分は一切反応できない。
本人が「これ以上ない恐怖」と語るほど、過酷であった。
呼吸筋も麻痺し、人工呼吸器を装着。
生死の境を越える闘いの中、それでも佐藤の意識だけは強くあり続けた。
■ リハビリと心の復活
集中治療室を出た後も、彼を待っていたのは長く、終わりの見えないリハビリだった。
- 指が1mm動くことが嬉しい
- 目が開くようになる
- 声が少し出る
- 食事が自力でできる
- 歩行訓練へ進む
俳優として「身体が資本」である佐藤にとって、
もう一度動けるようになるまでの道のりは、孤独で厳しいものだった。
しかし彼は折れなかった。
「昨日できなかったことが今日できる。それだけで十分」
「進歩は小さくていい。前に進んでいれば勝ちだ」
この考え方が、佐藤を支え続けた。
■ 病気後の価値観の変化
佐藤は闘病を経て、価値観が大きく変わったという。
● “当たり前”は当たり前ではない
歩く、食べる、息をする、声が出る――。
それらは、病気によって全て失われた。
だからこそ、日常の一つひとつを深く大切にするようになった。
● 小さな挑戦の積み重ね
俳優としての大きなコンディションよりも、
「今日できたこと」への喜びを最優先するようになった。
● 人とのつながりが生きる力
闘病中、俳優仲間や友人、ラジオリスナーから届いた言葉。
それが彼の心を救った。
■ 現在の活動と復帰への道
退院後、佐藤はゆっくりと芸能活動を再開している。
- ラジオ出演
- 役者仲間との交流
- 身体づくり
- アクション練習
- 舞台復帰に向けた調整
まだ病前の状態に完全には戻っていないが、
確実に前へ、着実に歩いている。
そして、佐藤の口から語られた言葉はこうだ。
「また舞台に立ちたい。もう一度アクションをやりたい」
この強い想いが、彼を再び表現の世界へ引き戻しつつある。
■ おわりに
佐藤和久は、強さだけを持った俳優ではない。
倒れ、動けなくなり、絶望を味わい、
そこから再び立ち上がろうとしている。
その姿こそが、多くの人に勇気を与えている。
身体を武器にしてきた男が、
身体を奪われた病を克服し、
今また前へ踏み出している。
彼の完全復帰と、次のステージでの活躍を心から期待したい。
