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芸能界入りまでの道のり
篠田三郎は、東京・港区麻布に生まれ、成増(東京都板橋区)で育ったといわれています。
学校は豊島区立道和中学校に進み、その後日本大学第二高等学校へ進学しましたが、1965年に俳優を志して受けたオーディションで、大映東京撮影所第18期ニューフェースに合格したことを契機に高校を中退し、演じる道へ進んでいきます。
養成所での訓練では「演技力以前に身体を鍛えておけ」という厳しい言葉をかけられたことを振り返っており、ひとつひとつ役を得るまでの地道な下積み時代があったことを語っています。
1966年、映画『雁』でデビュー。当時は大部屋俳優からのスタートで、目立つ役柄ではなかったものの、カメラの近くに呼び出してもらえることに喜びを感じるという言葉も残しています。
その後、1970年には『高校生番長』で主演扱いとなり(ただし主演はヒロインの南美川洋子とされるが、篠田がタイトル的なポジションを担っています)若手青春映画の本格的な出演へと運びました。
そして1973年にはテレビシリーズ『ウルトラマンタロウ』で主役・東光太郎を演じ、一躍幅広い世代に顔を知られる俳優となります。

このように、“ニューフェース→大部屋俳優→主演→テレビ主役”という流れを、当時の俳優の階梯をしっかりと歩んできたことが、篠田三郎のキャリアをより“信用あるもの”にしていきました。
主な出演作品
篠田三郎の出演歴を、一部ピックアップしてご紹介します。
映画
『雁』(1966年) – デビュー作。大映作品。
『歌(うた)』(1972年、ATG) – 監督:実相寺昭雄。芸術性の高い映画への出演も果たしています。
『ゴジラvsデストロイア』(1995年、東宝)など、大作・特撮映画にも参加。
映画『HAYABUSA2 ‑REBORN‑』(2020年)ではナレーションを担当するなど、年齢を重ねた後も映画界との接点を保っています。
テレビ
『ウルトラマンタロウ』(1973-74年、TBS) – 主演・東光太郎。ウルトラシリーズでは数少ない主役抜擢。
その他、「木下恵介・人間の歌」シリーズ、『兄弟刑事』など、多くのテレビドラマにも出演。

舞台・朗読
近年は舞台での活動も活発です。所属する 劇団民藝の公演に多数出演しており、朗読会などでは“朗読の名手”と評されるほどです。
例えば、2025年には「朗読と文学の夕べ」シリーズで、藤沢周平・山本周五郎の作品を朗読形式で披露しています。
このように、映画・テレビ・舞台・朗読と、多様な媒体を通して幅広く活動してきた俳優と言えます。
家族・プライベートなこと
篠田三郎の家庭について、比較的知られている情報を整理します。
まず、結婚は1975年頃とされ、奥様は一般の方・高田章子さんという情報があります。
夫婦の馴れ初めとしては、クリスマスイブに開催されたパーティーで出会ったというエピソードも伝えられています。
そして、お子様は息子さんと娘さんが一人ずつおられるとのこと。息子さんは『ウルトラマンタロウ』放送終了後に生まれたとの噂があり、1970年代半ば生まれとされています。
娘さんについては2015年に結婚され、父親としてバージンロードを歩いた感動を語ったというニュースもあります。
また、家族ぐるみの付き合いとして、ウルトラシリーズで後続の主演を務めた俳優 真夏竜 さん一家とは、息子同士が同級生という関係から親交があるようです。真夏さんが病気になった際には、セカンドオピニオンを紹介したという“命の恩人”という言葉まで出ています。
プライベートでは、趣味に野球観戦(特にメジャーリーグ観戦)、旅行、ゴルフ、乗馬などを挙げており、特技には乗馬・ボクシングなども記されている媒体もあります。
こうした家庭と趣味の側面からも、俳優・篠田三郎という“役”を演じ続ける人物の、人間らしい一面が垣間見えます。
最近の活躍の様子(特に近年)
76歳を迎えた篠田三郎ですが、近年もなお精力的に活動を続けています。以下、最近の動きを中心にご紹介します。
舞台出演・朗読活動
所属する劇団民藝では、2020年1月10日から籍を置いており、以後舞台出演が相次いでいます。2024年には『ある八重子物語』(古橋健一郎役)に出演。2023年も同役で公演があり、各地を巡演しました。
そして2025年には、『篠田三郎・樫山文枝 文学の夕べ 第一部「山桜」』(全国各地)および新作演劇『ローズのジレンマ』(ウォルシュ・マクラーレン役)に出演予定。
これらの朗読・舞台活動では、演技とはまた異なる“声”と“語り”に焦点が当たっており、「朗読の名手」とも評されている篠田の新たな魅力が開かれています。
また、舞台旅公演の際には「以前は旅先から東京の妻宛に洗濯物を送っていたが、今ではコインランドリーを利用し、自分で洗濯している」といった“現役意識”の言葉も報じられており、俳優としての姿勢が変わらず健在であることが垣間見えます。
映像・メディア出演
舞台だけでなく、映像作品でも動きがあります。2020年には映画『HAYABUSA2 -REBORN-』のナレーションを務め、俳優としての新しい役割を担いました。
また、2025年10月20日付「マイナビニュース」では、「高校生で映画デビューした76歳俳優、70代から新たな道へ。舞台を中心に活動」として特集されており、テレビ番組への出演も報じられています。
特に「旅公演→自ら洗濯機を回す」などのエピソードの他、トーク番組『徹子の部屋』出演が決まったとのニュースも出ており、メディア露出も継続していることが窺えます。
役者としての変化と現在地
70代後半となった篠田三郎は、「主演」という枠を超えて、朗読・舞台・ナレーションといった“表現の幅”をさらに広げています。特に朗読公演では、名作文学を声で紡ぐという方法で、「俳優」であると同時に「語り手」として成熟した姿を見せています。
劇団民藝のプログラムでは、「朗読と文学の夕べ」シリーズが2021年から続いており、2025年で全国巡演されるなど、非常に継続的かつ積極的な活動が見られます。
さらに、旅公演のエピソードやインタビューでは「自分で洗濯をする」「旅先でも働き続ける」など、自身を“現役”と位置づける発言も多く、一方で「ウルトラマンタロウ」は思い出として大切にしており、現在の役者人生を“青春の財産”と語っています。
この姿勢からは、年齢を重ねても、俳優としての誇りや使命感を持ち続けていることが読み取れます。
締めくくりに
篠田三郎という俳優は、「青春スター」や「特撮ヒーロー主演」という枠に収まらず、やがて舞台・朗読という深い表現へと歩みを進めてきました。映画・テレビ時代の光芒から、今は声と語りで観客と向き合う――その姿に、俳優としての“変わらぬ芯”を感じさせます。
家族と趣味の時間を大切にしながらも、76歳という年齢でなお旅公演に赴き、舞台に立ち、自らを“現役”と語るその姿勢は、多くの若手俳優、ひいては人生を歩む人々にも学びを与えるものです。
今後も朗読公演や舞台、新たな映像作品で、篠田三郎の“次なる表現”がどのように開かれていくか、注目していきたいです。