人類最古の痕跡が残る洞窟と、その壁画—考古学的にも非常に重要なスポットです。40,000年以上前の人々の生活を垣間見ることができます。
歴史的・文化的な背景
ニア洞窟は、サラワク州ミリ近郊の石灰岩山・Gunung Subisに位置し、その規模ある「グレートケイブ」は高さ約75 m、幅約150 mに達し、世界最大級の洞窟入口の一つとされています。
最も注目される考古学的発見は「ディープ・スカル(Deep Skull)」と呼ばれる人骨で、約38,000年から65,000年前の現生人類の遺骨であり、東南アジア最古級のものとされています。
洞窟内には石器、陶器、鉄器時代の道具、貝の装飾品などさまざまな時代の出土品が確認されており、細石器文化から弥生時代以降の葬送儀礼までを物語る層を含む複合的な遺跡です。
2024年にユネスコ世界文化遺産に正式登録されました。「アジア熱帯雨林と人類の最も古い相互作用の記録」であるとして評価されています。
アクセスと見どころ
アクセス
基点はミリ市で、車(タクシー)またはバスで約90 km、所要約1.5〜2時間です。
公園本部からはモーターボートでニア川を渡り、そこから木製の遊歩道(プランクウォーク)を約1時間進むと、「グレートケイブ」に到着します。
観光設備
パーク内にはビジターセンター、宿泊設備(シャレーやホステル)、トレイルルートがあります。
トレイルは「グレートケイブルート」と「ペインテッドケイブルート」に分かれており、前者でメインの大洞窟へ、後者で壁画や「デスシップ」(船形の木製棺)の遺跡へアクセスできます。
見どころ
洞窟内は暗く、足元が滑りやすいため、耐水・滑りに強い靴と懐中電灯が必須です。
夕方には数万羽のツバメとコウモリが一斉に洞窟へ戻ってくる光景があり、写真撮影や自然観察に最適です。
入場料金
外国人:大人 約RM 20、子供(6歳以上) 約RM 7。ボート渡河は片道RM 1/人が別途かかります。
ベストな時期
3月~9月が乾季でトレッキングや洞窟探検に適しており、特に6月〜9月は好条件です。
その他
パスポートや身分証明書(ID)の提示が必要です。
天候や運行状況によりツアー内容が変更されることがあるため、予約時に確認をおすすめします。